奇術師❀桜新一の手紙

このブログではマジックに関すること、興味あることをマジシャンの視点から書いていきます。

マジックを演じる時間について

最近も様々なマジシャンの演技を見る機会があったので、思ったことについて書いておくことにする。

今回のテーマはマジックを演じる時間についてである。

一般的にショービジネスはインパクトが大切で3Sが重要だと言われている。

ちなみにこの3Sはsimple(分かり易く、簡潔),short(短い),strong(力強い)である。ではそれぞれについて説明していこう。

 

まず、Simpleであるどんなに素晴らしいマジックを演じたところで一部の観客しか理解できなければ意味がない。多くの観客にウケるためにはわかりやすいものほどよい。

次にshortである。演技は短いほうがインパクトが強い。人は一瞬の出来事のほうがよく覚えている。

最後がstrongで、これがインパクトが強い演技である。どんなに分かり易く短くまとまった演技でも、これと言って印象に残らなければ意味がない。

この3つがしっかりと揃っていれば、口コミで人に伝わりやすいので宣伝にもなる。

このマジックなんかはその典型だと思う。

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もちろんときには長編の作品も楽しいものであるが、長い時間観客をひきつけておくのは難しい。ストーリーがなく淡々と演じられるものは退屈である。逆にストーリーや連続性があれば次が楽しみになるので見たくなるものだ。

 

演技の構成についてはまた次回考えて書いてみようと思う。

 

キャラ作りについて

マジシャンとして人前に立つ時どのようなマジックを演じるかも重要だけれど、それと同じくらいキャラ作りも重要である。

派手なキャラで演じるのか。それともお笑いキャラで演じるのか。

様々な選択肢があると思う。

 

最近久しぶりに他のマジシャンの演技を見た。 

そして、思ったことがある。最初の印象が非常に大切であると。

初めにキャラを印象づけてしまえば、その印象づけ方が効果的であればあるほど、その後の演技も非常にウケが良くなる。

 

マジックを始める前にできるだけ観客と話して親近感を出す。

喋りをベースとするマジックでは重要なことだ。

けれどもすべてのマジックにおいて必ずしも必要ではない。

 

派手な見た目で音楽に似合わせて演じるのであれば、

最初にわざわざ話すよりも1つマジックを演じた後に少し話すか。

または最後の方に沢山話せば良いと思う。

 

自分の見た目やトークに合った振る舞いが非常に重要である。

 

はじめは誰しも憧れのマジシャンや教えてくれた人のモノマネから入る。

それをそのままコピーして演じられるようになり、自分なりのセリフや演出を加える。

趣味でやっている人はここまでが多い。

 

プロでやっている人はさらに仲間や師匠にアドバイスを貰って、トークや振る舞いを変えていく。さらに観客の表情や態度から少しづつウケるものを探していく。

その繰り返しで作られていく。そしてそれは普段演じている観客で決まっていく。

つまり、子供の前で演じることが多ければ子供に受けやすいキャラになる。

またはその逆でターゲットを絞ってそこに合わせていく。

そうすれば需要のあるマジシャンになれる。

 

ただ、芸術性や時代を超える様なマジシャンになるにはもっと別の視点が必要なのではないかと思う。

 

 

 

マジシャンのドキュメンタリー

ネットフリックスでマジシャンのドキュメンタリー作品を見たのでその感想を書いておく。アメリカのマジシャン4人の私生活を追った作品である。

所々イリュージョンやテーブルマジックの映像が出てくる。

出て来るマジシャンはそれなりに成功しているマジシャンで、私生活は普通の人とあまり変わらないがみんなマジックが好きだと言う点は共通していると思う。

マジックが好きじゃないとプロにはならない。

プロでマジックが嫌いな人はいないだろう。

出てくるマジシャンは演技中は楽しそうでとても輝いている。

ドキュメンタリーとしては普通だが、そこは見る価値があると思う。

 

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マジシャン: 摩訶不思議な世界 | Netflix (ネットフリックス)